マルぼんと暮らす ヒロシの初夢珍騒動の巻


金歯「朕の家にある私設遊園地が全面リニューアルしたのでおじゃる」


一同の者「マジでー」


金歯「一番のおすすめはオバケ屋敷。相当怖くて、入った人はかなりの高確率で悲鳴を上げて失神し、場合によっては発狂したり、屋敷内で失踪した挙句数ヵ月後に海外で変わり果てた姿で発見されたりするのでおじゃる」


一同の者「マジでー」


金歯「そんなオバケ屋敷のある私設遊園地に、ヒロシ以外の皆様をご招待!」


一同の者(ヒロシ除く)「やたー!」


ヒロシ「な、なんだいなんだい。仲間はずれにされても、くやしくなんかないんだから。な、なぜなら入った人が必ず悲鳴をあげてしまうような最恐のオバケ屋敷を、僕は知っているから!」


金歯「ほう。ならばその最恐のオバケ屋敷に連れて行ってもらおうかい」


 基本的に家に篭りきりで、生まれてこのかた微笑町から出たことのないヒロシがそんなものを本当に知っているわけがないわけで……


ヒロシ「入った人がみんな悲鳴をあげてしまうようなオバケ屋敷だしてえ!」


マルぼん「『コワイ香』。このお香を炊いた部屋に入った人は、自分がこの世で一番恐ろしいと思うもの幻を見る。一番恐ろしいものを見たら、そりゃ悲鳴のひとつもあげるだろう」


 ヒロシとマルぼんは、『コワイ香』を炊いた適当な廃屋に、金歯とそのほか大勢を招待。金歯&そのほか大勢は、目論見どおり、悲鳴をあげまくったのでした。


金歯「くぅ。くやしいけど、朕たちの敗北でおじゃる」


ヒロシ「がははは。いい気持ちだ。がははは。う。なんか体のふしぶしが痛む」


金歯「ち、朕も。うう、膝が、腰が、首が、しくしく痛むぅ」


マルぼん「今説明書読んだのだけれど、『コワイ香』は長時間炊くと、体に深刻な影響がでるって」


一同の者「きゅう」


 そんなわけで、全員卒倒。深刻な影響のせいでのたうちまわるのでした。マルぼんは、体にまで悲鳴をあげさせる『コワイ香』の効果は絶大だと思いました。