マルぼんと暮らす 転校生は出家済みの巻


金歯「見るでおじゃる、この某有名携帯ゲーム機!」


ヒロシ「わ! その某有名携帯ゲーム機、中が透けて見えるスケルトンバージョンじゃないか! そんなの発売されてたっけ」


金歯「パパの友達に某有名携帯ゲーム機の発売元のえらいさんがいて、朕のためだけにわざわざ作ってくれたのでおじゃるよ!」


有象無象ども「我々にも遊ばしておくれよー」


金歯「いいともさ、いいともさ」


有象無象ども「やたー」


金歯「ただしヒロシ、てめーはだめだ。このスケルトンバージョンの某有名携帯ゲーム機には、ヒロシが触ると半径10キロメートル以内にあるもの全てを消し去るほどの威力がある(爆発跡には十年間ほど草の1本も生えやしない)自爆装置が作動するようにプログラムされているから」


ヒロシ「ぎゃふん!」


 くやしくて泣きながら帰宅するヒロシ(趣味・ネットサーフィン)。


ヒロシ「うわーんうわーん、マルぼんうわーん、うわーんくやしいよ、せつないよ、うわーんうわーん」


マルぼん「泣くがよい、今は泣くがよい」


ヒロシ「僕もスケルトンバージョンの某有名携帯ゲーム機が欲しいよう。うわーんうわーん」


マルぼん「よし、この霧吹きに入っている液体を、君の持っている某有名携帯ゲーム機にかけな」


ヒロシ「これは?」


マルぼん「『スケル豚』という豚の骨からとれただし汁さ。『スケル豚のダシ汁』は、どんなものでもスケルトンバージョンにしてしまうんだ」


『スケル豚のダシ汁』をつけたヒロシの某有名携帯ゲーム機は、見事に中が透けて見えるスケルトンバージョンになりました。


ヒロシ「ひゃっほう。いい感じだぜい」


マルぼん「よろこんでいただけたようでこれさいわい」


 調子にのったマルぼんとヒロシは、いろいろなものに『スケル豚のダシ汁』をかけて遊びまくりました。ついにはかけるものがなくなったので


ヒロシ「まだまだ遊び足りないから、父さんと母さんの物にもかけちまおうぜ!」


 2人でパパさんママさんの部屋に侵入。手当たり次第に『スケル豚のダシ汁』をかけまくりました。


マルぼん「あ!」


ヒロシ「どうした」


マルぼん「ほ、これ、これらの本を見てみろ!」


 部屋に置かれていた複数の本。タイトルは『他殺にみえない殺りかた』『識者が選ぶ 世界の猛毒ベスト100』『プロが教える 怪しまれない葬式での泣き方(子供の葬式編)』『保険金すぐにもらえる100の方法』。その他、海外旅行や車のパンフレットなどがありました。


 マルぼんは、パパさんとママさんの薄汚れた欲望まで透けて見えるようにしてしまった『スケル豚』の効果は絶大だと思いました。