買い物

・以前、「ライトノベルを読むぞー」とか書いた記憶があります。「ゼロの使い魔」「灼眼のシャナ」「わたしたちの田村くん」「とらドラ!」といった作品を買ったことは買ったんですが、積読状態です。(「わたしたちの田村くん」だけは読みました)。


 どうも時代小説とか伝奇小説なんかを優先して読んでしまいます。柳生なしでは生きていけそうになさそうです。隆慶一郎先生と荒山徹先生には、責任を取っていただきたい!そんな気分です。山田風太郎先生の柳生は、かっこよく描写されていることが多いので大丈夫です。


で、今日買ってきた柳生本はこちら。


密謀―十兵衛非情剣 (二見時代小説文庫)

密謀―十兵衛非情剣 (二見時代小説文庫)


 柳生で「十兵衛」といえば、ノッカラノウムでアレされちゃったり、弟や作者オリジナルキャラのかませ犬になっちゃったり、転生衆と戦いを繰り広げたりする隻眼の例の人を連想してしまいますが、この小説は隻眼の例の人の話ではありません。


 44歳という若さでこの世を去った隻眼の例の人ですが、実は死んでいませんでした。死を偽装して、自由気ままに全国行脚。その道中で、お子さんを作っていたのです。そのお子さんの子供、つまり隻眼の例の人のお孫さん…その名も「十兵衛」が、この作品の主人公です。この十兵衛、剣の腕は祖父に勝るとも劣らないのですが、「他人がどうなろうが知らない」というクールな性格。


 徳川の将軍も十代目になっている頃、指南役の柳生一族もいい感じで落ちぶれています。七代目当主の俊峯は養子でそれほど強くもありません。そんな俊峯のもとに、とある事件の情報が届きます。この事件を華麗に解決して、「柳生一族の夢よ再び」と目論んだ俊峯は、十兵衛を利用しようと考えます。柳生一族とは疎遠な十兵衛は、当然いやがるのですが、なりゆきで事件にかかわることになります。


 この作品の特徴は、時代小説によくでるキャラクターのパロディみたいなキャラが多いことです。十兵衛のライバルとなる尾張柳生の若者の呼び名が「兵庫助」だったり、近江出身の子供の名前が佐吉だったり、柳生家を支える家臣の疋田源四郎というのが疋田豊五郎の子孫だったりします。


 私が気になるのは、この疋田源四郎。疋田豊五郎の起こした疋田新陰流といえば、荒山徹作品になくてはならない存在。荒山作品にでてくるヒーローの多くが、疋田新陰流の愛用しています。柳生一族のなかに、普通に疋田関係者がいる。ただそれだけで、胸がわくわくしてきます。疋田源四郎自体が、疋田新陰流と無縁そうなのが残念ですが。


 この作品に続編があるかはわかりませんが、あるのなら疋田新陰流関係の話などやってほしいと思います。