魔法の上司3

私の務めている福祉施設には、入所と通所という分類ワケがありまして、その名の如く入所は寮で生活し、通所は自宅から通っている人のことです。

魔法の上司「入所利用者はストレスがたまりやすいから、明日土曜日は外出することにしましょう。そうね。近くの海にバスで行くのがいいわ。アパッチアパッチ(呪文)職員が休日返上給料ナシで働くようになあれ〜」

私「わかりました。わかりましたよ。どうでもいいです。あ、でも、明日は台風6号の影響で雨が降ったり海が荒れたりするかも。その時は?」

魔法の上司「雨天決行! その時は、バスから利用者を降ろさないように」

私「え? 雨のなか、狭いバスに閉じこもりっきりって、よけいにストレスがたまるんじゃ」

魔法の上司「あ?(権力者独特のするどい目つきで) あたしの計画に不服でもぉ?」

私「めっそうもない。ストレスなんてたいしたことないですよ。ないに決まってます。あはは。あは。あは。」


※このお話は、実在の人物(72歳男性。学校の校長を定年退職後天下りで施設のお偉いさんに)を架空の人物(魔法少女。修行のため魔法の国からやってきて施設のお偉いさんに)にアレンジした以外はほぼ実話です。