いよいよ演習がはじまったヘルパー学校。

 今日は、べッドに寝たままになる人の体のを洗う「清潔」の演習でした。
先生「私が見本をみせますから、誰か見本になってくださいね」
青シャツさん「選ばれる人、運悪いよね」
僕「そうですねー」
先生「それじゃあ、どぶろくさん。どうぞよろしく」
ということで、実験台となることになった僕。
教室の中央におかれ、クラスのみんなに周りを取り囲まれたベッドに横になるように促され、しずしずと寝転がりました。
クラスメイトのだれか「みんなでベッドに寝ている人を見下ろすのって、臨終にたちあうみたいですよねー」
「あ、言えてる!」
オヤジさん「どぶろくくん死なないでー(笑)」
僕「死にたくないー(笑)」
 そこで、クラス最年長のおばあさんが一言。
おばあさん「私のツレアイも、去年、こんな感じで看取られて逝ったんです
 静まりかえる教室。
 気を取り直して、先生による模範指導が行なわれたんですが、衆人環視の中、愛らしい女性の先生に体を拭かれたり、頭を洗われたりするのは、昼間にでてきてはいけない感情を覚えてしまいます。
 青シャツさんもどこか羨ましそう。
青シャツさん「仕方ないから、僕は有料の方に行こうかな、なんちゃって」
再び静まりかえる教室。
 それから、ヘルパー学校の帰りに、人類の罪と罰や、この世の業を全て背負ったかのような小学生を目撃しました。