一方通行の道路の出口に無理矢理侵入しようとしていた車を警官が止めているのに遭遇。
車の運転手は、深々とかぶった巨人帽と肩まで伸びたイカツイ金髪、口にくわえたタバコが特徴の、
「人生舐めてます!」というオーラがプンプンにあんちゃん。
あんちゃんの妻らしき、片手に子供、片手に携帯電話をもった「人生舐めてます!」というオーラがプンプンのねえちゃん。
あんちゃんとねえちゃんの愛の結晶らしき、やたら後ろ髪が伸びている「チャイルドシート? はぁ?」というオーラがプンプンの赤ん坊の3人。
一方通行逆走というダイナミックな交通違反を警官に問い詰められているあんちゃん、「俺は未成年だ」と必死で自己弁護。
ねえちゃん携帯メールに夢中、赤ちゃん鬼のように就寝中。
見ている僕。妙に盛大になる蝉たちの鳴き声。滲み出す汗。
こうして過ぎていく、僕の23度目の夏。
ゴキブリ出現。
直接攻撃できるアイテム(新聞紙、スリッパなど)が手近になかったので、
間接攻撃できるアイテム(母がどこからか買ってきた尋常じゃないくらい効く殺虫剤)を取ろうと、部屋の外へ行こうとしたら、
ヤツは外へ唯一通じるドアのノブに陣取り、脱出不可。
万事休すと思っていたら、様子がおかしい。動かなくなっている。
ちょっとつついてい見ると、音もなく下に落ち……。
そう、ヤツは、ゴキブリは、ノブに陣取った時点で致命傷を負っていたのです。
最後の力を振り絞って、ヤツは僕にいやがらせをした……
敵ながらあっぱれ。できればヤツとは人間とゴキブリという関係で出会いたくなかったです。