マルぼんと暮らす
マルぼん「おいヒロシ、いつも買っている『週刊少年ギガン』が発売日でもないのに出ているぞ」
ヒロシ「これ増刊号だよ。表紙には『週刊少年ギガン』の人気作品のキャラがでているけど、中身はほとんど新人の作品ばかりなんだ」
マルぼん「あ、でも、キミの好きな津森ツモっ太先生の短編が載っているみたいだよ」
ヒロシ「な、なんだってー!? 本当だ、津森ツモっ太先生の『お色気民主主義』って作品が出ている! 買わなきゃ! あ、でも……」
マルぼん「どうした」
ヒロシ「『お色気民主主義』は読みたいけれど、それだけのために買うのはもったいないかなと思って。他の漫画はいらないから、『お色気民主主義』だけ売ってもらえないかな」
マルぼん「ああ、いい機密道具あるよ。『ゴウツウブブン』。この薬を飲むと、どんなものでも『欲しい部分だけを、それ相応の価格で売ってもらえるようになる」
『ゴウツウブブン』を飲んだヒロシ、『ギガン』の増刊号を持ってレジへ行き「この本の『お色気民主主義』という漫画だけ欲しいのですが」と店員に頼みました。店員は『お色気民主主義』を上手に切り取ると、「はい、30円になります」。
ヒロシ「やった。欲しいとこだけ売ってもらえたよう」
マルぼん「よかったよかった」
ルナちゃん「ヒロシサーン」
ヒロシ「あ、ルナちゃん」
ルナちゃん「今日は、ヒロシさんがうちの親に挨拶しに来ることになってたでしょ」
ヒロシ「そうだった!」
こうしてヒロシは、ルナちゃん親に「娘さんプリーズ」と挨拶しに行くことに。
ルナちゃん「ねえ、お父様。私たち愛し合っているの。結婚を認めて!」
ルナちゃんパパ「むむーしかし、おまえは私と母さんの宝物。どこの馬の骨ともわからないヤツにくれてやるのはなぁ」
ヒロシ「そこをなんとか!」
ルナちゃんのパパ「で、ヒロシくんはうちの娘のどこが一番好きなのだね」
ヒロシ「えっと、白魚のような手です。白く美しい手が僕の体に触れるたび、僕は、僕という人間はもう」
ルナちゃんのパパ「そうか。ならば、一番好きな部分だけをくれやろう」
ルナちゃんのパパは、床の間に飾ってあった先祖代々伝わるチェーンソを手のにとりました。マルぼんは『ゴウツウブブン』の効果は絶大だと思いました。