出来事

父の友達が暇つぶしに、とある人の後援会をやっているらしいです。

その友達氏が家に来ていて、帰宅した私に

「後援会の青年部の部長をやってくれ」

と頼んできたんです。

20数年の人生でこんなことを言われたのははじめてです。

はじめての権力。はじめての部長。

しかし、その存在すら知らなかった人の後援会で、そんな重要ポジションについていいものか。

悩む私。

ふと、あることに気がつきました。

「あの、後援会のメンバーの名簿とかあります?」

帰ってきた返事は「名簿などない」でした。

後援会に現在いるメンバーは、その友達氏だけだったのです。

私は、生まれてめぐってきた権力の座を、余裕で捨てました。