31日目

イエロー・シャツその2「いや。いやあああ! 返事を、返事をしてぇ、隊長ォ!」
さきほど息を引き取ったイエロー・シャツその1の亡骸をかかえ、絶叫するイエロー・シャツ2だったとさ。
立河「あいつら、きっとデキてたんだぜ。ゲヘへ。ウヘへ。」
イエロー・シャツその2「ううう。ゆ、許さん。許さんぞ地球人ども。皆殺しだ。グスッ」
デブ「あ、あいつ泣きじゃくっているんだブ。チャンスだブ」
イエロー・シャツその2「うっさいデブ。我らの奥義をくらえい。おりゃ!」
デブ「うっ。な、なんだブ、この気持ち。走らずにはおられない…愛のために、地球の貯めに走らずにはおられないー!」
イエロー・シャツの体に触れた瞬間、デブの様子が一変した。そわそわし始めたかと思うと、急に走り出し、「愛で地球をどうにかしてやるブ!」と叫びながら、外へととび出してしまったのである。
イエロー・シャツその2「みたか。我ら体液にふれたものは、愛のために地球のためになにかしたくてしょうがなくなるのだ。あのデブは私の涙にふれた。愛のために地球のために死ぬまで走りつづけることだろう」
後日、デブは某武道館の前で、満足しきった表情で息を引き取っているのが発見された。
イエロー・シャツその2「ふはは。他のやつも同じ道を歩め! おりゃ!」
隊員A「ううっ。登らねば。愛のために地球のために、あさいちで富士山に登って、山頂郵便局で働くお父さんにメッセージを伝えねば」
隊員B「ああっ。泳がねば。愛のために地球のために、琵琶湖を泳いで渡らなければ」
隊員C「いやん。倒さなければ。愛のために地球のために、ドミノを並べて倒さなければ」
隊員D「ぐはっ。送らなきゃ。愛のために地球のために、今もこの空の下を走りつづけるデブへの応援ファックスを送らなきゃ」

こんな感じのことが小一時間ほど続き、増殖していた隊員はほぼ全滅。残された戦力は、俺と立河さんと他数名にまでなってしまった。

立河「こ、このままでは全滅だっ。メガネ、なんぞよい方法はないかー?」
メガネ「ひとつだけあるでヤンス」
立河「な、なんだそれは」
メガネ「世界をひとつにすることでヤンス!」

(『大物アーティストが一堂にかいし、平和のために歌い上げた某有名曲(色々こわいのでタイトルは書きません)』がどこからともなく流れてくる)

立河「世界をひとつに…だと?」
メガネ「イエロー・シャツが地球に介入するのは、地球の幸せのバランスが崩れているからでヤンス。つまり、地球人がみんな平等に、平和に幸せに暮らせるようになれば、連中は介入してこないハズでヤンス」
立河「我々地球人が手を取りあわなければ、平和という名の目標のために手に手をとらなければ、ヤツラには勝てないということか。そういうことで世界をひとつにということなのだな、メガネ」
メガネ「その通りでヤンス」
立河「地球が平和になったら、ウチら(地球防衛軍)はオマンマ食い上げだろうがっ!」
メガネ「ギャッ」
立河さんの地球防衛パンチがメガネにクリーンヒットし、地球防衛軍第67基地は全滅した。