近くの古本屋の棚の隅の隅で、なにか禍禍しい妖気を発していた「ごっちゃん! 若貴ブラザーズ」という漫画を思い切って購入。


 タイトルのとおり若貴兄弟をモデルにしたと思われる若穴田・貴穴田(あんまりなネーミング)という関取兄弟が巻き起こす迷惑行為を描いたギャグマンガでした。


 内容は、普通の子供向けギャグですが、実在の人物をパロディしたキャラがあんまりといえばあんまりなあつかいを受けていて、「作者は社会的に大丈夫なのか?」と心配になります。


 主役の若貴兄弟からし二十歳を越えても寝小便・寝グソが治らないという設定があるくらいです。


 特筆すべきは、若貴兄弟に協力する宮沢リエリエという女忍者。


「いいパロディネームが思いつきませんでした」という感が滲み出ているこの女忍者・宮沢リエリエは、すっ裸で、大事な部分を手裏剣で隠しているという言葉もでないような姿で、
「東京に行ってタレントになりたい」と馬鹿丸出しセリフなんか言っていて、見ていてものすごく気の毒な気分になりました。


 いわずもがな「たそがれ清兵衛」で数々の賞をゲットしたあの女優さんのパロキャラですが、若貴兄弟のパロキャラとあの女優さんのパロキャラを共演させた作者は、先見の明があったのかもしれません。破談になったけど。


 オススメの話は、他人の若さを吸い取る拳法を使う老人集団との闘いを描いた「伝説の拳法の巻」と、
肺癌で余命幾ばくもないヤクザの組長に若貴兄弟がトドめをさす「バカはカゼひかないの巻」、読者に「『若貴ブラザーズ』はおもしろいと、人ごみで大声をだして笑え!」と宣伝を強要している作者のコメントです。