・バスの中で、2人がけの席に1人で座っているおっさんが。なんとか私1人くらい、隣に座れそうな感じだったのですが、それに気づいたおっさん。席の真ん中のほうに移動して、それを阻止。とてもじゃないけど座れない状態に。


 「いけすかんなぁ」とか思っていると、若い女性がバスに乗ってきました。それに気づいたおっさん。席の片側に寄って、1人分のスぺースを開けると、無言の笑顔を女性へと送ります。「座れるよ、わしの横座れるよ」といったところでしょうか。スケベ根性丸出し。ますますいけすかない。


 若い女性、おっさんの笑顔の意味に気づいたようで、「ありがとうございます」と礼を述べました。そして「おばあちゃん、座ってください、って」と、同じバス停から乗ってきた老婆に座るように促すではありませんか。


私(この女性とおばあさんは連れ立っていたのか。もしやおっさん、そのことに気づいていた……? スケベ根性なんてなくて、最初からおばあさんのために……!!)


 自分の思いこみで他人様を勝手に判断してはいけないと、猛省する私でありました。


 おばあさんが近づいてくるのを見ると、おっさんは再び席の真ん中に移動しました。