マルぼんと暮らす シャム猫和尚とニセ刑事の巻


「いかに昼飯代を節約してお金をため、借金を返すか」ということを常日頃から考えているマルぼんは、時折、ヒロシのクラスメイトになりすまして小学校に侵入。何食わぬ顔をして給食に舌鼓をうっています。そして今日も、給食をこれでもかこれでもかと食べていたのですが


マルぼん「おや、なんだか以前に食べたときと味がちがうような」


ヒロシ「今月から給食作りが外部業者に委託されることになったらしいんだ。そのほうがコストが安いらしい」


マルぼん「ふうん。最近はなんでも委託やねえ」


ヒロシ「そうだね。いっそのこと、なんでもかんでも委託できりゃいいの。宿題とかも」


マルぼん「『委託のイ太郎人形』。この人形を盛っていたら、どんなことでも他人様に委託させることができる」


ヒロシ「マジで! なら、さっそく今日の宿題をだれかに委託させよう。これ、そこいく児童、僕の宿題をかわりにやってたも」


ナウマン象「オッケー」


ヒロシ「うはは。本当にうまくいったよ。うははは。うっ」


 急に胸をおさえて倒れるヒロシ。救急車で病院に運ばれたヒロシはそのまま処置室へ。


マルぼん「ドクター! ヒロシを、ヒロシを助けてやってくんなまし」


ドクター「やれるだけはやります」


 処置室の扉がしまりました。マルぼんは、ヒロシの命まで他人様に委託してしまった『委託のイ太郎人形』の効果は絶大だと思いました。