マルぼんと暮らす(後編)


 こよりバンジーを強いられる悲劇の主人公たちのところへ「命ツナ」を持っていくヒロシ。


ヒロシ「このツナを食せばあれがああなってこうなってああなるわけだ」


ナウマン象「そいつはありがてえ!」


大脳「ヒロシはあっしたちの救世主でヤンス」


金歯「くだらねえでおじゃる」


ヒロシ「えらく余裕じゃないか、金歯」


金歯「ふふん。そもそも朕は、あのばかげたこよりバンジーをしなくてもいいのでおじゃるよ」


ヒロシ「え、なんで、例外なくやらなくちゃならないはずなのに」


金歯「ふふん。その秘密を話す愚か者がいるかでおじゃる」


 実は金歯、先日、憎からず思っている女の子の家のまわりをウロウロしようと夜の道を歩いているとき、微笑町の町長が奥さんでも妻でもワイフでもない女性と桃色遊戯にふけっているところを目撃し、その現場を写真に収めたのです。その写真の力で、こよりバンジーを免じてもらったというわけ!


金歯「もぐもぐ」


ヒロシ「そんなこと言いながらも、『命ツナ』を食っているじゃないか」


金歯「たまたまツナが朕の好物だっただけでおじゃる。もぐもぐ。それじゃあな」


ヒロシ「行っちゃった」


 1人町を行く金歯。


金歯「ふふん。この写真があれば、多少の無茶はお手の物。言うなればこの写真こそが朕の命綱。そうだ。もう一度町長にこの写真をちらすかせて念押ししておくでおじゃるか」


 そんなわけで町長の家へと向かう金歯。わが家顔負けの勢いで、勝手に町長の家に入ります。


金歯「町長、いるー? って、ああ!」


 ちょうどそのとき、町長は例の奥さんでも妻でもワイフでもない女性を刃物で(時節柄自主規制)。金歯はとっさにカメラのシャッターを押していました。


金歯「や、やった、この写真があれば、さらなる無茶も」


町長「うがー!」


 町長が、金歯に向かって刃物で(時節柄自主規制)。マルぼんは金歯の命綱も強化した『命ツナ』の効果は絶大だと思いました。