ボンジュール、日本の皆さん! 大沼ヒロシです! 先ごろ、私は散髪しようと床屋へ行ってきたのでございます。すると店主が「眼鏡を洗いましょうか」と、私の眼鏡を水の入った怪しげな機械に入れたのです。
店主「この機械に入れたものはですね、超音波とかで小刻みに振動するんです。小刻みに振動するとですね、落ちにくい汚れが落ちるのです」
私、これは使えると思いました。なぜなら大の風呂嫌いだからです。小刻みに体を振動させることで体の汚れが落ちたら、風呂に入らなくてもよいのではないかと。うちにはマルぼんという、不思議な道具を佃煮にするほど持った同居人がいるので、こいつに相談することにしました。
マルぼん「『振動滅却すれば火もまた涼しバッジ』。これをつけたら体が小刻みに振動する。汚れもとれるよう」
私「おおおおお。本当だ。体が振動するうううううう」
バッジをつけた私の体は小刻みに震え始めます。汚れも落ちまくりです。
ヒロシ「いやー体も綺麗になりましたよ。あはははは」
金歯「おや、そこにいるのはヒロシでおじゃるか」
私「金歯……の坊ちゃん」
金歯「うぬの親、朕のパパの経営する会社で働いているんでおじゃるよな。うぬの食べている物も着ている服も、朕のパパのやった金。朕なしではうぬという人間はなりたたないわけでおじゃるな。あはははは。うぬの人生っていったい〜」
私「……」
バッジはすでに外しているのに、私の体は小刻みに震え……振動していました。気がつくと手は握りこぶしになっています。
金歯「なっさけない〜」
私「きっさまー!」
金歯「きゃー!!」
・
ヒロシを乗せて去っていくパトカーを見て、マルぼんは結局ヒロシの体(主に手を。血で)汚してしまった『振動滅却すれば火もまた涼しバッジ』の効果は絶大だと思いました。