マルぼんと暮らす
大学生「そう、そうなんだ。将来は舞台女優になりたいんだ。あははは。もしそうなったら、きっと舞台を観にいくね」
ヒロシ「隣の部屋に住んでいる一人暮らしの大学生がうるさいったらありゃしない。あの人、家の壁にできた人の顔に見えるシミに向かって、毎日話しかけているんだ」
マルぼん「あの大学生、声が大きいんだよな。普通にしゃべっているだけでも騒音になっちゃう。そういうときはこれ。『人体音量ボタン』。テレビについている音量ボタンの人体版みたいなもの。つけられた人は、ボタンを押すことで声の大きさを自由に調整できるようになる」
ヒロシ「よし、これを隣の家の大学生につけてくる」
そんなわけで大学生の家へ侵入するヒロシ。
ヒロシ「いくぜ」
大学生「だれだ!」
ヒロシ「ぎゃー!」
突然に来客にビックリした大学生の鉄建が、ヒロシに決まったからタマラナイ。ヒロシはぐったりして動かなくなりました。
大学生「しまった、きみ! きみ!」
正当防衛ということで服役は免れた大学生さん。
マルぼん「彼に罪はないのですが、ヒロシをアレしてしまったことにショックをうけて、彼の菩提を弔うべく、家に篭ってひたすら仏像を彫っています」
もう、大学生の声は聞こえません。聞こえるのは、彫刻刀で木を掘る音だけ。マルぼんは『人体音量ボタン』の効果は絶大だと思いました。