マルぼんと暮らす


 ご近所のイカズチさんが、ヒロシ宅に乗り込んで怒鳴り散らしています。イカズチさんは近所でも有名なカミナリ親父で、自分の家の庭に誤ってボールを投げ入れた子供を怒鳴り散らした後、家に連れ込み、5時間も出さなかったことから警察の取調べを受けたこともあります。

イカズチ「今日は燃えるゴミを出す日! だのにアンタの家は燃えないゴミを出しておったぞ!」

ヒロシ「一見燃えなさそうでも、がんばって火にあぶり続ければいつか必ず燃えるような気がして……
申し訳ないこってす」

イカズチ「次からは気をつけろよ、社会のゴミ!」

ヒロシ「とほほほ。大目玉を食らっちまった。これらからはしっかりとゴミの分別をせんといけないけど、めんどくさいな。なんかいい機密道具はない?」

マルぼん「あるよ。このゴミ袋に入れたゴミは、どんなものであろうと『燃えるゴミ』になる」


 ヒロシは部屋にあった使えなくなった電池をゴミ袋に放り込みました。


ヒロシ「これで電池が燃えるゴミになるわけか」


マルぼん「うん」


???「大沼ヒロシとマルぼんはいるか!!」


ヒロシ「なんだなんだなんだ」


???「外を見てみろ」


 マルぼんたちが窓から外を見てみると、なんか目がひとつだったりみっつだったりする奇怪な生物が無数にいて、家を取り囲んでいるではありませんか。


奇怪生物「我々は地球の先住民族、ポックリ人。ひとりひとりが一騎当千の力を持っている戦闘民族だ。今、貴様らがゴミ袋に入れたのは一見電池に見えるがそうではなく、我々の宝物。そんな宝物をゴミ袋に入れるとは許せん。貴様らは我々が全戦力を投入して死なす! ちなみに貴様らが我々に負けたら、地球人皆殺しにします」


 無数のポックリ人が、マルぼんとヒロシに襲いかかってきました。ポックリ人たち、マルぼんとヒロシをちぎっては投げちぎっては投げ。


マルぼん「全地球人の命運を背負って、たった2人VS無数の敵なんて燃える展開じゃないか、燃える展開じゃないぎゃー!!」


 マルぼんは、燃えないゴミを燃えるゴミにしてしまった未来の世界のゴミ袋の効果は絶大だと思いました。