荒山徹関係

 本屋でなにげなく「小説NON」を手にとってみたら、表紙に『荒山徹』の文字。今月は『オール讀物』に短編が掲載されていたので、てっきり他の雑誌には載っていないと思い込んおり、あやうく見逃すところでした。


 小説NONに掲載されていたのは「妖説・李舜臣」という短編。『朝鮮が世界に誇る英雄の李舜臣が実は……』というお話。『高麗秘帖』の、あのかっこいい人とはまるで別人です。


『妖説』を冠するタイトルと歴史上の英雄のダークな顔を描く内容は、山田風太郎先生のあの傑作を連想してしまいますが、そこはさすがに荒山徹先生。最後の一文でつなげてくれました。『サラン』の時といい、今回といい、山田風太郎先生の扱いは丁寧なのに、なぜあの大森林はあんな扱いなんでしょうか。