マルぼんと暮らす 「でんのうせんしマルぼん」の巻


ヒロシ「なんだいなんだい、オカチメンタイ(ヒロシの担任)のヤツ!」


マルぼん「どうしたんだい、鬼のような形相をして」


ヒロシ「この世のものとは思えない、おっそろしい罵詈雑言で罵られたんだ。そりゃあさ、給食を影で某国に横流ししていた僕も悪いよ。それはわかっているけど、あんな風に罵ることないじゃないか」


マルぼん「そんなに酷いことを言われたん? もしかしたらオカチメンタイも『言い過ぎた』と後悔しているやもしれんよ」


ヒロシ「どうだか」


マルぼん「オカチメンタイの家に盗撮マシーンを仕掛けてあるから様子を見てみよう。このモニターで見ることができるよ」


 モニターを通して、オカチメンタイの家の様子を窺うマルぼんとヒロシ。オカチメンタイは、マネキンにむかって今日一日のできごとを語っていました。このマネキンは、オカチメンタイにとって、時に母であり、時に姉であり、時に妹であり、時に妻であり、時に恋人であり、時に娘であり、時にエロゲーのヒロインであるマネキンなのです。


オカチメンタイ「今日は給食を横流ししてた生徒を、この世のものとは思えない罵詈雑言で罵ってやったよ。がはははは。言い過ぎたんじゃないかって? そんなこと全然ないよ、あいつは鈍感だから、心なんて傷つかないよ。がはははは」


ヒロシ「きぃー! くやしい! マルぼん、オカチメンタイのやつに『言い過ぎました。大沼くんには申し訳ないことをしました。心から謝罪したい』と思わせる機密道具だして!」


マルぼん「えっと、たしかそんな機密道具があったような。ちっと待って。あれでもないこれでもない」


 マルぼん、機密道具をしまっている四次元胃(マルぼんの胃は四次元に繋がっていて、色々なものをしまいこめます)をまさぐります。その途中、間違って拳銃を出してしまって


ヒロシ「なるほど、この拳銃で自分を撃てば、オカチメンタイが『言い過ぎました。大沼くんには申し訳ないことをしました。心から謝罪したい』とか思ってくれるわけだな、ようし!」


 ヒロシ、銃口を自分のこめかみに当てて、引き金を勢いよくひいて……ズキューンと銃声が響きました。


 葬儀には、オカチメンタイも参列しました。


オカチメンタイ「申し訳ない!」


マルぼん「ほう」


オカチメンタイ「大沼くんが自殺した日、私が酷いことを大沼くんに言ってもうたのです。きっとそのせいで、大沼くんは……。言い過ぎました。大沼くんには申し訳ないことをしました。心から謝罪したい」