ママさん「駅前の衣料品店がようやくつぶれることになり、閉店セールがやっていたの。大量に服を買ってきたら、着なさいね、ヒロくん」
ヒロシ「着ろっていっても、これ全部、サイズも種類もバラバラじゃないか。これは僕には大きすぎるし、こっちは僕には小さすぎる」
マルぼん「ふふふ。そういう時こそマルぼんにお任せ。無理矢理でもいいから服を着てみな」
マルぼんに言われるまま、ぶかぶかの大きな服を着るヒロシ。
マルぼん「服を着たら、これを食べるんだ」
ヒロシ「豆?」
マルぼんの渡した豆を食べると、ヒロシの体が少しずつ大きくなりはじめました。服にピッタリの大きさになると、成長は止まりました。
マルぼん「この豆は『サイ豆』と言ってね、食べると体が今着ている服にもっとも適したものへと変化するんだ」
ヒロシ「すると小さい服を着ている時に『サイ豆』を食べると、体が小さくなるんだね」
マルぼん「うん。ほかにも変わった使い方がある。ほら、この服を着てみな」
ヒロシ「これ、メイド服じゃないか!」
メイド服を着たヒロシに『サイ豆』を食わせると、なんということでしょうヒロシ女体化。メイド服にもっとも適した体に変化してしまったのです。
マルぼん「どうだ。おもしろいだろ」
ヒロシ「ちょ、僕ってばメイドさんになっちまったじゃないか! きちんと元の姿に戻ることはできるんだろうな、ご主人様!」
マルぼん「最初に着ていた服を着て『サイ豆』を食べたら、元の姿に戻るよ」
ヒロシ「あ、そうなん? それがわかればいいや。色々遊んでみようぜ」
マルぼん「よし、まずはこいつからだ!」
ママさんが大量に買い込んできた無駄衣装と『サイ豆』で散々遊び倒すマルぼんとヒロシ。
ヒロシ「ああ、おもしろかった。おや、次が最後の服だね」
マルぼん「なんの服だろ。とりあえず着てみろよ」
ヒロシ「着てみたけれど、やっぱわかんないや」
マルぼん「『サイ豆』を食ってみろよ」
ヒロシ「……なんかお腹が重くなってきた。あと、すっぱいものが無性に食べたく……」
マルぼん「あ、わかった。この服、マタニティードレスだ」
ヒロシ「な、なんだってー?! ということは、このお腹の重みは……マルぼん、元に戻りたいから、『サイ豆』を」
マルぼん「さっき食べたので最後だよ」
「そして生まれたのがおまえだよ」