・散歩中、踏切を渡ろうと思っていたら駅の職員に、珍妙なマスコット人形のついたチラシを渡されました。チラシには「ふみきりの正しい渡り方」が書かれていました。


「しまりそうなときにはむりしてわたらないこと」


「わたるときにせんろにいしをおかないこと」


 なんというか、全部当たり前のことなんですよね。チラシを配らないと、当たり前のことを守れない人が増えているのでしょうか。


 そうなると気にかかるのが、同封されていたマスコット。こいつは人々に「しまりそうなときにはむりしてわたらないこと」「わたるときにせんろにいしをおかないこと」なんてことを伝えるために、この世に誕生したわけですよ。他のマスコットキャラが人々に夢やロマンや欲望を与えている頃、こいつは至極当たり前のことを伝道していかねばならぬのです。「せんろにいしを置いたらだめだヌポ」「電車へのとびこみじさつは、いぞくをふくめてたくさんのひとにめいわくをかけるから、極力さけるヌポ」とか言ってまわらねばいけないのです。ああ不憫。