犬の散歩をしていると、近所のおばさんが「ちょっとタヒチへ行ってきたの」と、なんか怪しい彫刻の彫られた木の棒を手渡してきたんです。なんだろうとよく見てみると、孫の手でした。


「お土産よ」と言ったおばさんの持っている紙袋の中には、同じ形をした孫の手が大量に入っていました。どうもまとめ買いしたヤツを配って歩いているようです。


「じゃあ」と去っていくおばさん。私は途方にくれました。孫の手を入れる袋を、私は持っていなかったのです。いや、持っていることには持っていたのですが、その袋には回収した犬の糞が入っていたのです。さすがに糞と一緒にいれるのはつらいので、孫の手は直接持ちました。


右手には犬の糞を持った袋を、左手には怪しい彫刻の彫られた木の棒と犬の首輪に繋がる綱を持って、小雨のパラつくなかを進む私。まさに、神の左手悪魔の右手


家に帰ってさっそく孫の手を使ってみたんですが、先端が鋭すぎて背中が血だらけに!