ウチの近所には「すき屋」と「松屋」はあるけど「吉野屋」がなく、僕は生れてから数えるほどしか「吉野屋」へいったことがありません。

 最近の「牛肉なくなる騒動」でも「すき屋」とか「松屋」は「関係ねえ」みたいに報道されていたので安心していたのですが、余裕で消えるらしいことを今日知って、ちょっと動揺が隠し切れません。

 別に牛丼が大好物というワケではないのですが、ひょっとしたら僕の中で、知らない間に牛丼が大きな存在になっていたのかもしれません。なくしてからわかる大切なもの、か……



 「無宿狼人 キバ吉」(原作・島本高雄、漫画・森野達弥)購入。


 おそらくは江戸時代。主人公である無宿人のキバ吉は、人に危害を与える「邪魂魔道」と呼ばれるバケモノを退治して旅をしているのですが、彼自身もまた人狼の王と人とのハーフというバケモノでした。


 それでもキバ吉は「邪魂魔道」にとどめをさせることのできる聖剣と、狼獣人への変身能力を駆使して戦いつづけます。人間とバケモノ両方に恐れられ罵られながらながら。


 自分はバケモノではなく人間である。そのことを証明するために、キバ吉はバケモノと戦いつづけているのです。


 しかし普通の人からみればキバ吉はどう見てもバケモノであり、戦えば戦うほど彼と人間との距離は開いていきます。


 この地獄を、キバ吉はどう生き抜いていくのか。2巻発売が待たれる漫画です。


 ちなみに戦闘シーンが多いこの漫画は、絵柄の関係もあり、普通にグロいのですが、連載している雑誌は「ロボットのメイドさんが家にやってきた」とか「三国志の武将が美少女になって格闘」とかそんな漫画が連載している雑誌。
明らかに読者層が合っていない気がするのですが、大丈夫なんでしょうか。


 作画担当の森野達弥先生はあの水木しげる先生の門下であり、
アニメの鬼太郎にも登場した「地獄童子」の生みの親。水木しげる先生の絵柄をマイルドにしたその絵柄が素晴らしいのですが、悲しいかな単行本がほとんど出ておらず、わずかに出ているものも原作つきばかり。どこか森野達弥全集とか出してくれる豪な出版社はないもんですかね。