「蓋島伝―長宗我部元親秘録」第7回


 前回、本山家を降伏させ、安芸国虎を滅ぼした長宗我部元親。次の標的は一条兼定。忠臣の土居さんを殺したり、美少年とキャッキャッウフフしている兼定さんに力はなく、あえなく追放。飛ぶ鳥を落とす勢いの長宗我部元親


 そんな元親の裏の敵である、特命武装司祭フロイスはなにをしているかといいますと、日本の坊主をバカにする文章を書いて「やべえ、これ俺らにも当てはまるじゃん!」とうろたえたり、美少年とキャッキャッウフフしたりしてます。最大の庇護者である織田信長が、三好三人衆や浅井&朝倉、将軍サマ、一揆軍団などの多数の敵に囲まれてピンチで、長宗我部どころじゃなくなってきたんですね。


 それでも信長ががんばって比叡山を焼き討ちしてくれたり、武田信玄が亡くなったりして、なんとか勢いづいたので、フロイスは美少年とキャッキャッウフフしたりしながら、動き始めます。フロイス配下の女工作員3人組も再登場。3人の名前は、それぞれサブリナ、ジル、ケリー(またはじまった!)。この3人は大友家に仕える忍者を余裕で倒せるくらい強いのですが、果たして元親の運命は……?


 なお、信長が比叡山を焼き討ちして「この国の宗教サイテー」とか言っている頃、元親は「この国の宗教サイコー」と民と楽しんでいたりします。作中、何度も「どこか似ている」とされるこの2人ですが、そろそろ違いがみえてきました。この違いが、今後の話にどう影響していくのでしょうか。


 色々ありましたが、今回の話では一条兼定さんが気になります。追放されて嫁の実家へ、身内からも叱責されて、堕ちるとこまで堕ちて、崇徳院を気取ってみたりするもそれもダメで……。扉絵にも登場しているほどの存在感です。最近の荒山徹作品は、キャラが濃くなったキャラが終盤に主役を喰う活躍をすることがよくありますが、「蓋島伝」もそうならないかな。きっと楽しい。