今日は仕事の関係で、とある運動会の手伝い。参加者にプログラムを配ろうとしていたら、先輩職員から「後半の競技の『みんなでダンス』だけど、『みんなで盆踊り』に変更だから」と言われました。先輩職員のうしろには、うちの職場に関係するとても偉い人が立っていました。浴衣姿で。


 このエライ人、プロに踊りを習っていて、ことあるごとに披露したがるんですね。しかも披露する場を作り出す権力ももっているのでタチが悪い。いつぞやは12月24日開催されたクリスマス会に、浴衣姿の集団を引き連れて参戦したこともありました。クリスマスツリーを櫓に見立てて行われた「炭坑節」は、一生忘れられそうにありません。


 そんな調子で、今回も運動会に盆踊りコーナーをねじ込んだわけです。なにも知らない運動会参加者たちは、来賓席に座る季節はずれの浴衣姿の人物の存在に「?」顔。


 そうこうしているうちに運動会スタート。プログラムが消化され、後半の競技が始まったころ、『みんなで盆踊り』が大トリになるとの通達が。ちらつく権力者の黒い影。本来の大トリになるはずだったリレー決勝戦は中途半端な位置に。その旨を伝える会場アナウンスにざわめく参加者さんたち。


 そしてついにはじまる、『みんなで盆踊り』。「みんな私を手本にして踊ってね! それではミュージックスタート!」と、エライ人。エライ人の合図とともに流れるのは「アラレちゃん音頭」! 


エライ人「子供たちの大好きな『アラレちゃん音頭』を選んできたの!」


 「いつの子供だちだよう」とつっこみたくなりましたが、『アラレちゃん音頭』は今でもあちこちの夏祭りとかで現役で活躍しているので、無理やり自分を納得させました。でも流れてきたのは、小山茉美さんの唄う正規品ではなく、よくわからないおばさんの唄っているパチモノソングだったのだけは納得できませんでした。


 秋空の下、季節はずれ極まりない盆踊りを踊らされた参加者の皆さんは、どこまでも広がる青空と違って、曇りまくってました。輪の中心になって踊るエライ人の顔だけは、青空の如しでした。