「柳生大作戦」第三回


 最初らへんは「あはは、あの元首相の発言のパロかぁ。徹ったらぁ」とか思いつつ読んでいたんですが、いやに本格的な怪獣バトルが始まったところで「俺が読んでいるのはなんだっけ。怪獣映画のノベライズ?」と混乱。白すぎて逆に胡散臭い柳生父子が、謎の妹キャラ宗香が、勝手に対決させられた山岡荘八先生と山田風太郎先生が、ところどころで解説をはじめる作者本人らが次々と現れたところで、「ああ、荒山徹の小説を読んでいたんだー」と正気に戻りました。なんなんでしょうね、この小説。ちょっとおもしろすぎでしょう。


 しかしあれですね、最近の柳生(父)は、「十兵衛両断」にあったころの情けなさは微塵もありませんね。いきなり生き返って、孫を励ましたりとか。ちょっとさみしくあります。柳生(父)はどこまでも情けなく、柳生(息子)はどこまでも黒く、柳生(孫)はどこまでも扱いがアレ、柳生(孫2)はどこまでも若竹であった時代は遠くなりにけりです。